Mastercamユーザー事例

株式会社 アイエム 様

東京・板橋区の閑静な住宅街の一角に工場を構える株式会社 アイエム。マシニングによる切削加工と真空注型の技術を駆使し、外観重視のデザインモデルから精度重視のワーキングモデルまで、様々な試作品の加工を手がける総合試作メーカーである。

同社ではMastercamを主に樹脂加工で使用している。
担当する使用歴4年の菊地氏は、「やろうと思ったことが実現できるCAM」とMastercamを高く評価。試作品の品質向上にも大きく貢献しているという。社内での期待も大きく、今後は対応する加工の幅を広げていくことはもちろん、5軸加工へのチャレンジやオペレーターの増員も検討しており、Mastercamを使用した加工をさらに推し進めていく構えだ。

今回のMastercamユーザー訪問は、同社角田幸一社長と担当の菊地美尚氏のお二人にお話を伺った。

まず、創業から今日にいたるまでの沿革について教えてください。


株式会社 アイエム
角田幸一社長

角田社長:創業は1966年(昭和41年)です。板橋区本町に前身となる「角田製作所」を設立し、加工業を開始したのが始まりです。その後、数社の会社設立により事業を拡大してきましたが、87年(昭和62年)にそれらを合併統合し、社名を「アイエム」へと変更しました。

長年、切削による試作加工を専門に業務を続けておりましたが、8年前からは真空注型による試作品製造を開始し、特に数量が求められる試作品にも対応できる体制を整えています。そして3年前、それまで別の場所で稼動していた機械加工部門と成型部門を集約して現住所へと移転、現在に至っています。

現在の主な業務について教えてください。


工場内の様子。多くのNC工作機が整然と並ぶ。

角田社長:一体物の削り出しを得意とし、モックアップからワーキングモデルに至る幅広い分野の試作品製造を行っています。切削加工と真空注型の比率は、ほぼ50%ずつです。主力は化粧品の容器やギア、プーリーなどの機構部品ですが、基本的には業種を絞らず様々な加工を請け負っています。サイズも、5mmくらいのものから1mを超えるものまで幅広く対応します。

加工材は樹脂とアルミが多いですね。とはいえ、最近増えている鍵の試作加工では白銅を削っていますし、ステンレスや鉛などの加工実績もあります。チタンなどの難削材以外であれば、大抵の材質には対応できます。

 

試作加工は「短納期」というイメージがありますが、納期を遵守する上で工夫されていることはございますか。

角田社長:たしかに納期の短い仕事は多いですが、それを間に合わせてこそ我々の存在意義があります。 当社は、どんなに忙しくても依頼される仕事は断りません。最初から「できない」と考えるのではなく、「どうやればできるのか」ということを、常に頭の中で考えながら仕事を進めていくことが重要です。データ作成から段取り方法、機械の使い方に至るまで、常に工夫をめぐらすことで納期は守れるものだと考えています。

 

ここからはMastercamに関連したお話を伺いたいと思います。Mastercamの導入経緯について教えてください。

角田社長:6~7年ほど前に、当時取引のあったコパル(現・日本電産コパル)さんからMatercamの事をご紹介いただきました。コパルさんでは以前からMastercamを使って仕事をされていたようで、ご担当者の方から導入を薦められたことが大きな理由です。 とはいえ、当時は2次元CAD/CAMのみを使っており、3次元はまったくの未経験。正直、使いこなしていけるか不安はありましたね。

1年半くらいの検討期間を経た後にMill Level-3(同時3軸用モジュール)を導入しましたが、いきなり3次元ではなく、まずは2次元加工から始めました。慣れるにしたがって3次元加工も徐々に行えるようになり、導入から1年後には1ライセンスを追加しています。

 

Mastercamを利用した業務の流れについて教えてください。


株式会社 アイエム
菊地 美尚氏

菊地氏:Mastercamは樹脂の試作品加工をメインに使用しています。製品の図面は客先から3次元データか紙図面を支給いただいています。最近は3次元データの割合が多くなっているものの、紙図面でくる場合も少なくありません。その際はMastercamのCAD機能を使って3次元モデルを作成しています。当社のMastercamにはSolidsオプションが入っており、サーフェスとソリッドの両方でモデリングが可能ですが、ソリッドを使ったほうが簡単にモデリングできるので、使う頻度はソリッドのほうが多いですね。

加工する形状の準備ができたら、ツールパスの作成作業に入ります。当社が手がける試作品は様々な種類がありますので、形状に応じて2軸パスと3軸パスを使い分けながら作業を進めています。


当社では、図面を受け取った者がデータ作成から機械加工までを1人で完結する体制を取っていますが、簡単な形状であればNCデータの作成から加工を開始するまで5分から10分ほどで完了しています。


角田社長:日中にデータ作成が完了したものはそのまま加工へ移りますが、夜中も別のデータを機械にかけて加工しています。基本的に機械は24時間動かしっぱなしです。Mastercamも今は樹脂加工がメインですが、近いうちにアルミの加工まで行っていきたいと思っています。

 

Mastercamの操作性や使いやすさはいかがでしょうか。

菊地氏:過去にCAD/CAMを使った経験はなく、Mastercamが初めてのCAD/CAMでした。最初は職場の先輩に基本的な操作を教えてもらい、その後は使いながら細かい部分までを覚えていったという感じです。短い期間でしたが、基本部分をしっかりと教えてもらえたので、立ち上げは比較的スムーズでした。
Mastercamを使い始めて約4年になりますが、仕事を進める上で不自由に感じるところは特にありませんね。

  

データ作成時の様子(左)と実際の加工品

 

導入効果はどのような形で現れていますか。

角田社長:3次元データの仕事でも自信を持って対応できるようになったことが大きいですね。仕事を受注する際、まず3次元データを送ってもらい、実際の形状を確認しながら客先と工数や納期についてやり取りを行うこともできるようになりました。 品物を加工する際も工程を作り込むことで細かい加工が行えるようになり、仕上り精度が向上したと思います。事実、彼(菊地氏)が加工した品物は非常にキレイだと社内でも評判です。また、Mastercamはユーザーも多く知名度がありますので、営業面での強力なアピールポイントとしても一役買ってもらっています。

菊地氏:こちらで考える加工方法や手順はMastercamでほぼ実現できます。考えたことが確実にツールパスに反映できるという点で、Mastercamの存在は大きいと思います。

 

Mastercam、もしくは当社への要望点や意見などはございますか?

菊地氏:CAMの機能では特に不満はありませんが、CADの部分、特にソリッドモデリングの機能がもう少し使いやすくなってくれるとありがたいですね。とはいえ、仕事を行っていく上でMastercamの機能には充分満足していますし、他のCAD/CAMを使ってみたいと思うことも特にありません。

角田社長:正直、Mastercamで使い切れていない部分はまだまだあるかと思います。今後、Mastercamをさらに使いこなしていけるようになれば新たな要望も出てくるかと思いますので、その際はぜひ対応をお願いしたいですね。

 

最後に、貴社における今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか。

角田社長:将来的には5軸加工にチャレンジしたいと思っています。機械の候補も大体決まっていますし、いずれ現場からもそういった要望が必ず上がってくるはずです。実際の導入は現場から「5軸が欲しい」という声が聞こえてきた時ですね。その時が当社にとって5軸に挑戦する最もいいタイミングだと考えています。

もちろん、そのためにはMastercamをさらに活用していくための体制を整えていくことも重要なテーマとして考えています。今はMastercamと工作機械に忠実に仕事をこなしていますが、使い方をどんどん研究してもらい、まずは自分なりのノウハウをつかんでもらいたい。今後はMastercamを使える人数をさらに増やしていきたいと思っていますが、新しい人へ技術を伝えていってもらう役目も彼(菊地氏)に期待しています。人から人へと技術をキチンと伝承していくことが、会社がいい方向に機能していくための重要なポイントですから。

考えていることは色々ありますが、少しずつ取り組みを重ねながらMastercamを極めていき、「Mastercamを使って良かった」と思う仕事をもっと実現したいですね。

― お忙しい中、ありがとうございました。

(2007年12月訪問)

     

機械加工時の様子

■ DATA ■■■■■■

株式会社 アイエム   http://www.aiem-tec.co.jp/
〒173-0013 東京都板橋区氷川町22-19
TEL.03-3579-1156 FAX.03-3964-7615

【設立】 昭和62年11月

【代表者】 角田 幸一 社長

【営業品目】
切削加工および真空注型による各種試作品加工

【使用しているMastercamのモジュール】
・Mastercam Mill Level-3×2ライセンス

【販売・サポート担当特約店】
アプリハウス株式会社  http://www.ap-h.co.jp/
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-10-8 HIKビル
TEL.03-3367-5360 FAX.03-3367-5361

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Last Update 2016-10-05
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