Mastercam専用 高品質ポストプロセッサのご提案

CAM（キャム）は、CAD（キャド）で作成されたモデルデータに基づき、使用する工具の種類、工具の動かし方、加工速度といった詳細情報を設定することで、「ツールパス」と呼ばれる工具の正確な軌跡情報を作り出します。このツールパスは「CL（カッターロケーション）データ」とも称され、各CAMソフトウェア独自のデータ形式で出力されるのが一般的です。
しかし、CAMが生成したこの独自のツールパスは、そのままNC工作機械に読み込ませても機械を直接動かすことはできません。NC工作機械を実際に稼働させるためには、その機械が理解できる専用の形式、例えば「Gコード」といったNCデータに変換する工程が不可欠です。このNCデータの仕様は、NC工作機械の軸数、製造メーカー、さらには搭載されている制御装置の種類によって多岐にわたるため、それぞれの機械に合わせた対応が求められます。
ここで中心的な役割を担うのが『ポストプロセッサ』と呼ばれる変換機能です。ポストプロセッサは、CAMで作成されたツールパスデータを、特定のNC工作機械が解読可能なNCデータへと翻訳するものです。この変換プロセスを経て初めて、ツールパスはNC工作機械で実際に加工を行うための有効な指示データとなり、機械に読み込ませて加工を実行できるようになります。
また、同じツールパスを使用して異なる種類のNC工作機械で加工を行いたい場合でも、それぞれの機械に対応した専用の『ポストプロセッサ』を用いることで、各機械に適したNCデータを作成することが可能です。
最終的にNC工作機械を制御し、加工を実現するNCデータを作成するのは、この『ポストプロセッサ』の働きによるものです。そのため、どれほど精密で最適なツールパスをCAM上で設計できたとしても、ポストプロセッサによるNCデータへの変換が不正確であれば、NC工作機械が正しく動作するデータは得られません。このように、CAMシステムにおいて『ポストプロセッサ』は、加工の品質と効率を左右する極めて重要な機能の一つと言えるでしょう。